創薬時に、新薬候補化合物を短期で選定する方法をお探しですか?

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創薬分野の科学者は、1つの医薬品を開発するために多くの時間がかかると言うでしょう。BIO・Informa・QLS Advisorsの臨床開発の成功率に関する報告書によると、最近でも開発期間は10年を超えています。 

この分野のビジネスディレクターや経営幹部に尋ねると、これらの新薬候補化合物のための投資額が衝撃的であることを教えてくれるでしょう。複数の推定によると25億ドルにも上ります!これが成功する見込みが高い新薬候補化合物のみを臨床試験に進める主な原動力となっています。

全体像をお示ししますと、2022年5月現在、FDAは15個の新薬を承認しています。直近の推定に基づくと、これらは臨床試験を通過した7%前後の幸運な新薬候補化合物です

単純計算ですが、15個の新薬が承認されるなかで、約176個の他の新薬候補化合物が第I相試験から申請までの間のどこかで不合格であったことを示唆しています。176という数字は感動的なものではないかもしれませんが、その176個の新薬候補化合物が失敗と確定されるまでに費やされた投資額は累計で160億ドルに上ります

最良の新薬候補化合物を臨床試験に確実に進めることに、真の価値があります。実際、トップ20に入る複数の製薬会社では、貴重な創薬期間をメタアナリシスに費やし、過去の自社ポートフォリオを見直し、それらがどこで失敗したのかを解明して、新薬候補化合物の成功率を高める方法を検討しています。こちらは、Pfizer社が徹底した臨床試験において、21%という業界最高レベルの成功率を達成した事例です。注目すべき復活の物語と言えます。 

思い返せば、成功の秘訣はそれほど驚くべきものではありません。結局のところ、より良い意思決定に尽きるということです。

単純ですよね?

共通部分の理解

より良い意思決定を下すという目標を達成する方法について、考え方は様々である一方で、そこにはいくつか共通するテーマがあります。それはとりわけ、標的結合・バイオアベイラビリティ・薬理活性にある共通部分を理解することです。

共通部分とは、期待する効果をもたらすために、目的とする薬物がADME(吸収・分布・代謝・排泄)プロファイルに従った適切な時期に、適切な場所(正しい標的、正しい組織、十分なバイオアベイラビリティ)に、適切な量であることを確実にすることです。

これら「適切な」要素は、臨床試験の成功予測ににおいて単独では不十分であり、より良い意思決定を下す否決は、これらの適切な要素にある共通部分に存在しているのです。

インフォマティクスソフトウェアの役割は、科学者の皆様がより良い意思決定を、より早く下せるように支援することです。

Signals Inventa™ 3.1の最新のリリースには、Target Engagement Profile(TEP)アプリが導入されています。in vitro有効性試験・in vivo薬物動態(PK)試験・バイオアベイラビリティを、阻害率と時間の関係を1つのグラフにビジュアライゼーションできる初の製品です。

つまり、数分で「適切な」データの全体像をつかめる、ということなのです。

Signals Inventaのデータアプローチ

Signals Inventaは、強力なデータ管理とインデックスレイヤーを構築することで、実験データを標準化して統合します。複数のデータ源に由来するin vitroデータとin vivoデータ(Signals VitroVivo™データを含む)を共にサポートできるため、すべてを1つのシステム内に整合して使用できます。複数のデータを1つの強力な意思決定を可能にするグラフに統合すると、様々なアッセイ間にある言語と理解を活用できます。

in vitro有効性データから、期待される効果を得るために必要な薬物の量が明らかになります。in vivo PKデータから、モデル生物の血液や組織内に存在する薬物の濃度に関する特性を評価できます。薬物が標的タンパク質に自由に結合できる量を示す血漿結合データと合わせて、これら3種類のアッセイから、より治療的に意味のある効果が、その薬物から得られるかどうかを明らかにできます。

TEPアプリは拡張が簡単にでき、いくつもの化合物間で、あらゆる投与方法・剤形・生物種・治療分野における標的との結合を、数回クリックするだけで比較できます。

重要な点は、以前は開発に数か月を要していたことが、TEPアプリを用いれば数分でできるというユーザの皆様の声が届いているということです。

PerkinElmer Informaticsは、革新的かつ包括的なデータアナリティクスへのアプローチで、引き続き業界をリードしていきます。  Signals Inventaの詳細と、Target Engagement Profileアプリでできる創薬パイプラインの強化についての詳細は、こちらをクリックしてください

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サマンサ イェショネク 博士(Samantha Jeschonek, Ph.D.)

サマンサ イェショネク(Samantha Jeschonek)博士は、Signals Inventa・Lead Discovery Premium・Lead Discoveryのプロダクトマネージャーです。  分子生物学、細胞生物学、生化学のPh.D.を取得しています。  ここ数年は、創薬インフォマティクス ソフトウェアのプロダクトマネージャーを務めていました。10年を超える分子生物学研究の経験に加え、データ/メタデータのFAIR原則に対する情熱をRevvity Signals Softwareのプロダクトチームにもたらしています。