ChemDraw®と新学期を迎えよう
新学期の季節です。今年も化学を教えたり、学ぶときに、ChemDrawは欠かせないツールになるでしょう。
ChemDrawソフトウェアは、複雑な化学構造を描画し、化学反応スキームを表すための非常に有効な手段です。学生の皆様も印刷物相当の品質の図を作成でき、いつでも正確でプロのような作図ができます。
教育現場で使うChemDraw
ChemDrawを使えば、効果的に伝え、オーディエンスと共働することができます。教授/ポスドク/「化学は入門レベル」という学生さんであっても問題ありません。ここで、ChemDrawのおすすめの機能を3つ取り上げ、世界中の使用事例をいくつかご紹介します。
1. 最新のカラーリングオプション
化学構造に色付けができると、見た目が美しいだけでなく、自分のアイデアを伝えるときにも非常に役立ちます。最新バージョンのChemDrawには、最新のカラーリングオプションツールを搭載しており、化学構造を素早く簡単に色付けする様々な方法があります。
炭素環の塗りつぶしや(Ring-Fill)、原子や結合のカラーハイライトもできます。これらの機能は、以前のバージョンにも搭載されているColor by Elementオプションを強化するものです。アブストラクトや論文で、環内の塗りつぶしや原子/結合のカラーハイライトを使用した図が掲載されるケースが増えているのも不思議なことではありません。
Université de BordeauxのInstitut des Sciences MoléculairesのCNRS研究員であるアン ティ ブイ(Anh Thy BUI)氏が、新しい塗りつぶしツールをとてもクリエイティブに使っている実例をご覧ください。

2. 3D Clean-up機能
化学者達は、複雑な構造式や反応を分かりやすく伝えるためにChemDrawを使っています。ChemDrawの最新バージョンには、分子のリアルな3Dモデルを作成するための機能があります。
この3D Clean-up機能を使えば、分子の3Dモデルをたやすく作成できます。分子の2D描画を基にした立体構造の作成を素早く簡単にできるからです。このツールは、分子内の相互作用・反応性を理解するために、また手描きではとても時間がかかる構造式を作成するときに特に役立ちます。作成したモデルを、クリック1回でPowerPointのプレゼンテーションに取り込めます。
ここでは、ChemDrawの3D機能を教育現場で使用した例を2つご紹介します。
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サンディエゴにあるMiracosta Collegeの化学課程 では、様々な分子やイオンを描画し、それらを3D変換・操作して、立体構造を作成するよう学生を指導しています。
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Northwestern大学のラドスラフ パヴロヴィッチ博士(Radoslav Pavlović, PhD)は、ChemDraw 20の3D Clean-up機能を試しています。本機能に夢中のようです。
3. 3MF PowerPointとのネイティブな統合
3D化学構造をPowerPointにインポートする必要があるのなら、ChemDrawにはその機能が備わっています。教師でも学生でも、自分のスライド内で直接ネイティブな3D構造を3MFオブジェクトとして作成できます。3MFオブジェクトは一般的な3Dプリント形式になりつつあります。

作成した分子をサードパーティのアプリケーションにエクスポートして別のファイルとして保存し、それをアニメーションGIFや動画としてPowerPointに再び挿入する手間は、もはや不要です。ChemDrawの[Copy as 3MF(3MFとしてコピー)]ボタンをクリックするだけで、分子のアニメーション付き3DモデルをPowerPointに貼り付けられます。PowerPointに取り込んでしまえば、専用のハンドルでモデルを立体的に回転させ、多種多様なアニメーションを使って動かせます。
Puget Sound大学のBoisvertラボでは、クリック1回で分子を3Dにレンダリングし、PowerPoint内で簡単に操作する方法をYouTubeの動画で公開しています。
ChemDrawは、あらゆる種類の教育目的に(そして楽しく!)使用できる汎用ツールです。分子の3Dモデルから教育用のゲームまで、あらゆるものを作成するために化学系の学生達が使っています。10年前、すでに学生達は教室内でChemDrawのFlick to Shareオプションを使って作図を先生に送信し、すぐに確認してもらえました。.
ChemDrawを使いこなせる学生は、化学の学習でも、将来のキャリアでも優位に立てます。そのスキルを活用して、クラスメートのために有用なリソースも作成できます。教育現場でのChemDrawの活用方法を少しご紹介したところで、入手方法についてご説明します。
ChemDrawの入手方法
ChemDrawの最新版を入手するのは、難しいことではありません。皆様が学生/教授であれば、大学でChemDrawのサブスクリプションがアクティブな場合は、PerkinElmer Informaticsのサブスクリプションギャラリーからダウンロードできます。最新版のダウンロードに必要なものは、教育機関の有効なEメールアドレスだけです。すでにChemDrawのアクティブなサブスクリプションライセンス(17.1以上)がコンピュータにある場合、アクティベーションコードの再入力は不要です。最新版のChemDrawインストーラーを起動するだけで自動的にソフトウェアが作動します。(大学のIT部門もセットアップをサポートしてくれます)。
ChemDrawについて
1985年から、ChemDrawは化学者が化学構造の描画に使い続けてきたソフトウェアアプリケーションです。長らく業界標準として使用されているChemDrawには、印刷物相当の描画を簡単に作成できる機能が備わっています。
40年近く、ChemDrawでは新しいツール・機能・ショートカットを更新し続けてきました。現在もその更新は続いています。
つまるところ、ChemDrawは化学を学習したい方/共有したい方に欠くことのできないツールです。
ChemDrawのスキルを磨くには、どこに行けばいいでしょう?
学生の皆様へ!ChemDrawのスキルアップを目指し、スーパーユーザやChemDraw® Wizardからヒントとコツを見つけたい場合は、PerkinElmer Informaticsの完全無料の新しいChemMazing Communityにご参加ください。ChemMazing Communityは、学習・共有・共同作業・ネットワーク作りなどができる、単一プラットフォーム上のユーザ同士の交流の場です。

ピエール モリユー 博士(Pierre Morieux, Ph.D)
Revvity Signals Software ChemDraw® Wizard担当 ケミストリープロダクト マーケティング マネージャーモリユーは、Revvity Signals Softwareのケミストリープロダクトのマーケティング マネージャーで、化学者の様々なニーズを、時短や発見を実現する統合ソフトウェアアプリケーションに変えていく支援を行っています。それまでは、2017年からChemDrawのグローバルプロダクト マーケティング マネージャーを担当し、ChemDrawのバージョン17から21や、ChemOffice Suiteの開発と市場投入を監督しました。モリユーは、2012年に化学分野のフィールド アプリケーション サイエンティストとしてPerkinElmer(現Revvity)に入社しました。その前には「How to draw Viagra under 20 sec in ChemDraw」というバイラル動画をYouTubeで公開しています。モリユーは、ENSCP Chimie ParisTechで化学工学の学位(2006)、University of North Carolina at Chapel Hillで薬学のPh.D.(2010)を取得し、フランスのISIS Institute of the University of Strasbourgで生物有機化学のポスドクを修了しました。