Nexus 2021 DAY2 総括: 柔軟なインフォマティクスで、データ主導の科学に力を与える

Nexus 2021 DAY2 総括: 柔軟なインフォマティクスで、データ主導の科学に力を与える

PerkinElmerのNexus 2021インフォマティクスバーチャルユーザ会議のDAY2 では、Merck社(ドイツ)・Birla Carbon社・Givaudan社・Bayer社・Nimbus Therapeutics社・Johnson & Johnson社など、魅力的なプレゼンターが登壇しました。

基調講演のスピーカー

Nexus 2021 DAY2では、GlaxoSmithKline社の機能ゲノミクス部門でディレクターを務めるシャロン・スワイツァー(Sharon Sweitzer)博士による基調講演『Capturing Innovative Science for Re-Use – a GSK Functional Genomics Perspective』で幕を開けました。講演の中で博士は、「実験キャプチャ ソリューション」というGSK社の目標について説明しました。「実験キャプチャソリューション」は科学者の体験をシンプルにすると同時に、再利用可能なデータで創薬を加速します。また、この目標にSignals Notebook™がどのように貢献しているかについても紹介しました。ある事例では、データキャプチャ用の簡略化されたテンプレートを作成し、実験データの価値を最大化するという決定について言及しました。

さらに、TIBCO® Spotfire®を含む別のシステムでデータを再利用・再分析するために、GSK社のデータパイプラインがどのようにSignals Notebookからデータを取り出せるようにしたのか説明しました。Signals Notebookは高度に構造化されたデータを提供するため、すぐに使用できることから、GSK社に競争優位性をもたらしています。

インダストリートーク

DAY2のリサーチインフォマティクス トラック3の講演者たちは、デジタルトランスフォーメーションへの移行について端的に示していました。ミシェル・シーウェル(Michelle Sewell)氏は、Birla Carbon社の電子実験ノートへの移行事例を紹介しました。Birla Carbon社では、なんと160年以上にわたって紙の実験ノートを使用してきたのです!シーウェル氏は、同社が直面した固有の課題と、プロジェクトのライフサイクル全体でそれらの課題にどのように対処したかについて、明らかにしました。

紙ベースの実験ノートを長年使ってきたBirla Carbon社の紙への関心は素晴らしいものですが、それは同社だけに限ったことではありません。 ディーター・ベッカー(Dieter Becker)博士とマーク・ゴールディング(Mark Goulding)博士は、Merck社(ドイツ)における研究開発データの記録・保存・共有・検索性・セキュリティを向上を目的としたSignals Notebookの導入について論じました。Merck社(ドイツ)のジャーニーは、実験記録が断片化された状態であった電子機器事業の研究開発組織を対象に、Signals Notebookをグローバル展開し、以来2,000回以上の実験を実施しています。ベッカー氏とゴールディング氏は、実装の過程でギャップに対処するために使用したハイブリッドなアジャイル手法と、PerkinElmerとの定期的なワークショップについて、詳しく説明しました。

Givaudan社のアンドレアス・ムハイム(Andreas Muheim)氏も、Signals Notebookの導入のジャーニーを紹介しました。Signals Notebookを導入したことによる主なメリットとして、化学・製剤・発酵・分子生物学・酵素転換・プロセス・感覚科学など、幅広い応用分野にわたる300人のユーザのサポートを挙げています。Givaudan社はELNによってデータ抽出を自動化し、構成を簡素化することに成功しました。

本日のテクニカル トラック4では、Bayer社のデータレビュー/オペレーションインサイト責任者であるホルガー・シマンスキー(Holger Schimanski)氏が、TIBCO Spotfire Mods APIを使用して新しいビジュアライゼーションを紹介しました。TIBCO Spotfire Modsは、クリニカルデータのレビューに必要とされるSankeyおよびKanban Boardのビジュアライゼーションを追加するフレームワークをBayer社に提供しました。これらのビジュアライゼーションは標準のSpotfireのビジュアライゼーションに含まれていませんでした。

Nimbus Therapeutics社の情報システム責任者であるレベッカ・カラザ(Rebecca Carazza)博士は、標準機能にとらわれず、科学者に提供されるデータを強化するよう設計されたデータ機能とカスタムWebサービスの組み合わせに着目しました。データ関数は、エンドユーザーが解析に集中できるように、複雑なデータをクリーンアップしてデータ型を設定するために使用されます。Nimbus社のLead Discovery Webサービスフレームワークは、化学との関連性が最も高い化学的フィンガープリント法を追加するために使用されます。カラザ博士は、データ処理を向上させ、エンドユーザエクスペリエンスを改善するためのこのアプローチの使用事例をいくつか紹介しました。

最後のインダストリートークは、iDARTでの臨床研究を取り上げたJohnson & Johnson社のクリニカルインサイトマネージャーPieter Pluymers氏によって行われました。研究ファイルは、TIBCO Spotfireライブラリの基盤となるデータベースのサイズ制限を超える多数のサブジェクトと大​​量のデータで構成されていました。Pluymers氏は、ローデータをどのようにTIBCO Spotfireが素早くロードできるTIBCO Spotfireバイナリデータフォーマット(SBDF)ファイルに変換したかを説明しました。

TIBCO Spotfireの新機能と次なるステップ

TIBCO社のアルノー・ヴァリン(Arnaud Varin)氏は、科学研究開発を代表するパートナーであるPerkinElmer Informaticsと提携して進めている開発プロジェクトをいくつか発表しました。このプレビューには、他のシステムでの起動アクション、統合型カスタムワークフロー、新しいビジュアライゼーションモジュール、データラングリング・データクリーニング・ビジュアル解析のためのAIを装備したレコメンデーションを含むSpotfire Modsの拡張機能を明らかにしました。

技術革新スポットライト

Nexus 2021 DAY2では、リサーチトラックとテクニカルトラックの両方について、主要ツールの実際の業務への応用を紹介したイノベーションスポットライトが4セッションありました。セッションのトピックは、分子生物学の機能から、製剤開発をサポートする機械学習(ML)向けアプリケーション、機器の統合、最近リリースされたクラウドネイティブのChemOffice+まで多岐にわたりました。

Nexus 2021にご参加いただき、ありがとうございました!

Nexus 2021を成功に導いてくださったすべてのお客様、パートナー様、参加者の皆様に感謝いたします。

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