ラボの在庫管理でEHSとサステナビリティを促進

在庫管理は時間がかかり面倒なことも多くなりがちですが、ラボでは数多くの研究者やスタッフが試薬・消耗品を使用するため、負担はさらに増大します。さらに、化学物質の廃棄にかかる余計な経費を抑えるとともに、組織のESG(環境・社会・ガバナンス)目標を達成し、サステナビリティを促進するために、注文を最適化する必要性もますます高まっており、在庫管理は複雑化の一途を辿っています。それに加えて、安全性コンプライアンスを遵守し、曝露を最小限に抑える必要もあるため、ラボの在庫管理をさらに複雑にしています。

Inventoryを使用し、安全なラボ業務とサステナビリティを
ラボの在庫管理は、EHS(環境・健康・安全)に加え、サステナビリティとグリーンケミストリー(ESG - 環境・社会・ガバナンス)の実践を目指す活動の拡大に見事に適合しています。
安全性の観点からも、実際に物品がどこに保管されているかを把握することは重要です。高機能の在庫管理システムがあれば、ラボチームの皆様は以下のことも知ることができます。

  • 物品を保管できる場所
  • 物品の保管方法
  • 一緒に保管できるもの

ラボに適用する他の安全上の注意事項もあります。例えば、緊急時の対応を計画するときに、事故が発生した場合、施設内のどこに何があるのかを把握することが非常に重要です。また、曝露限界値と曝露率を検討する必要もあります(英国の有害物管理規則:COSHH)。物質の保管条件は複雑です。正確な在庫管理システムは、保管状況の問題を事前に見極めて回避するために役立ちます。

サステナビリティの目標を達成するには、購入する化学物質/試薬を環境への影響が少ないものに変える必要があります。しかし、サステナビリティの目標は別の手段でも達成できます。化学物質を最適な量にすることで、高い費用対効果が得られるかもしれません。使用しなかった化学物質の廃棄にかかる費用が、購入価格を上回ることがあるからです。

Signals Notebook™の在庫管理機能は、組織のEHS・ESG目標を達成するための方策であり、サプライチェーンが不安定な現状への打開策でもあります。

在庫管理を強化して在庫を適切な量に
パンデミック発生時に始まり今も続くサプライチェーンの問題を受けて、在庫管理の重要性が高まっています。需要の急増と供給不足が相まって、ほとんどのラボでは、対策として安全在庫を大幅に増やし、より早期に再発注するに結果に至りました。

パンデミック以前のサプライチェーンには、非常に高い柔軟性がありました。原材料・試薬・消耗品のニーズの算出が適切にできないラボやメーカーでも、多少の出費で急ぎの注文ができました。品切れや不確実な納期に直面する今日、以前と同じ無頓着なやり方では、実験の遅延や製造能力の制限を招く可能性があります。しかし、在庫を抱えることで高いコスト(とインフラ)が必要になることを考えると、過剰在庫の持続を避けることは、十分な供給の確保と同様に重要です。

包括的な在庫管理システムに合わせて、科学者同士が協力して在庫管理のベストプラクティスを実践することで、在庫水準を適切に調整し、サプライチェーンの供給変動の問題を管理できます。

Signals VitroVivo

Signals Notebookに在庫管理機能を追加
在庫管理とサプライチェーンの問題がますます複雑化している今、幅広い機能性・柔軟性を備えた在庫管理機能をSignals Notebookに追加して使用することを大いに検討すべきです。生産性を向上し、コストを削減し、情報の精度を向上して科学者が簡単に利用できる優れたツールを提供します。

Inventoryをワークフローに統合
Signals Inventoryを、科学者の日々のワークフローと統合することで、さらなる柔軟性をもたらします。Signals Notebookに在庫管理機能を統合することで、在庫依存の材料へのアクセス/変更のためにInventoryから離れる必要がないため、この統合は、在庫の正確性(と結果としてもたらされる実用性)のために非常に重要です。

実際、実験/ワークフローにおける材料の使用量を更新すること、容器/材料/サンプルを実験内のプレートの形体に直接結び付けること、PubChemから直接試薬のデータにアクセスすること、CAS番号を介してPubChemからパブリックアクセスデータのあるMaterials Libraryを表示することが可能です。

Inventoryのロケーション(保管場所)機能も広範に及びます。上限なく「ロケーション内のロケーション」を設定できます。各ロケーションでは「スロット」の追加も、容器を収納するためのグリッド/表としての設定もできます。ラボで必要とされるだけの種類のロケーションや容器を作成できます。

ラベルの柔軟性を活かした究極の管理
Signals Inventoryには、バーコードや容器など、一般的な在庫管理機能が備わっています。正確な在庫の維持を追い求めるラボには、バーコードが不可欠です。Signals Notebook Inventoryは広範なラベルに対応する柔軟性を備えているため、デフォルトの状態で独自のバーコードを導入できます。つまり、各企業の既存のバーコードも使用できます。

ChemACXとの統合
Signals Notebook InventoryとChemACXを統合することで、データ収集が自動化され、包装単位・純度・価格などの正確なサプライヤ情報が得られます。PerkinElmer InformaticsのAvailable Chemicals Exchange(ChemACX)は、世界中の780のサプライヤが有する2,300万以上の化学物質と4,300万以上の試薬・化合物について、最新の構造式検索が可能なソースとして提供する、堅牢な統合型データベースです。サプライヤには、Sigma Aldrich社・Fisher Scientific社・Acros社・TCI America社などの大手サプライヤだけでなく、ニッチなサプライヤも多く含まれます。

Signals Inventory

Inventoryを皆様のラボで活用してください
最新の正確な情報にアクセスすることは、効果的な在庫管理には必須です。Signals Notebook Inventoryは、在庫管理の能力を評価・改善するために必要な情報を示すことで、ラボのコスト削減と生産性の向上に役立ちます。

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ジェニファー ミラー(Jennifer Miller)
シニアプロダクトマネージャー

ミラーは、Revvity Signals Softwareのシニアプロダクトマネージャーで、Signals Notebook Inventory、Materials、Signals Suiteを担当しています。PerkinElmer(現Revvity)に入社する前は、製薬業界で15年間、がん・炎症に関する低分子薬の開発に携わっていました。分子・細胞・発生生物学の学位を取得しています。